全国各クラブの活動報告
埼玉産業人クラブNITEC埼玉産学交流会、日本工業大学埼玉キャンパスで役員会と9月例会
埼玉産業人クラブNITEC埼玉産学交流会(杉本賢次会長=丸一ゴム製作所社長)は9月8日、日本工業大学埼玉キャンパス(埼玉県宮代町)で役員会と9月例会を開いた。役員会では2023年度事業報告と24年度事業計画案、役員の一部変更などが報告され、了承された。
9月例会は学友会館で開催。基幹工学部電気電子通信工学科の平栗健史教授が「ドローンを使ったスマート農業支援と社会実装の展望」をテーマに講演した(写真)。杉本会長は「スマート農業という言葉を初めて聞いたのは、テレビドラマの『下町ロケット』だった。将来はこんな時代が来るのかと思ったが、講演で最先端の技術を理解したい」とあいさつした。
平栗教授はNTTの研究所でWiFiの開発と国際標準化をグループで取り組んだ。講演では発光ダイオード(LED)を使ったトマトの栽培や飛行ロボット(ドローン)を活用したナシの受粉などの研究のほか、トマトの受粉をハチの代わりにドローンを使って行う研究を紹介。さらにサツマイモの収穫時に大きさを人工知能(AI)を活用して識別したり、シイタケに雷の音を聞かせて生育を促す研究なども披露した。平栗教授は「これからは月面での農業も視野に入れる必要がある。最終的には人の手を介さない全自動の農業が真のスマート農業になるのでは」と展望した。会場からは農業参入に必要な条件について質問があり「実際に育ててみることが大切。農業や植物に詳しい専門家と一緒に進めることもポイント」とアドバイスした。
講演会後の懇親会では埼玉産業人クラブの増田文治会長(マスダック会長)が「例会では昨年も企業を経験した先生による講演で毎回勉強になる」と話した。同大の柳澤章理事長は乾杯のあいさつで「平栗教授は本学で最も研究費を集めており、活躍している」とたたえた。懇親会終了時には成田健一学長が「平栗教授は通信の専門家でありながら、自分でテーマを広げてきちんと勉強して努力している。皆さんの参考になる話が聞けたのではないかと思う」とあいさつして閉会した。
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