全国各クラブの活動報告
名古屋産業人クラブ、創立65周年記念講演会を開く
名古屋産業人クラブ(森誠会長=富士精工会長兼社長)は4月27日、田中耕太郎中部経済産業局長と秋元祥治やろまい(岐阜市)社長を招き、名鉄グランドホテル(名古屋市中村区)で創立65周年記念講演会を開いた(写真)。会員ら約130人が参加した。
田中局長は「中部地域におけるカーボンニュートラル(CN)実現に向けた取組」と題し講演した。グリーントランスフォーメーション(GX)をとりまく動向について「2030年目標として、日本は21年4月の気候変動サミットなどで13年比46%とかなり高めの数値を表明した。政府はGX推進戦略の実現に向けた先行投資を支援するため、23年度から10年間で約20兆円規模のGX経済移行債を発行する。エネルギー・原材料の脱炭素化と収益性向上などに資する革新的な技術開発・設備投資を支援する。今後は炭素に対する賦課金の導入や排出量取引制度も導入する」などGX推進法の概要を話した。
今後は成長志向型カーボンプライシングの導入により、26年度から多排出産業などの排出量取引制度の本格稼働、33年度から発電事業者に有償オークション(特定事業者負担金)を段階的に導入することを説明。「排出量取引の運営や負担金・賦課金の徴収、金融支援などを実施するGX推進機構を創設する」と排出量取引制度導入国や炭素税導入国の事例とともに紹介した。
また、CNにかかる技術開発について、JERAの碧南火力発電所4号機で石炭ボイラに燃料アンモニアを20%混焼する技術の確立に取り組むなど中部地域の動向に触れた。
続いて、秋元社長は『行列のできる中小企業の無料相談所』として有名な愛知県岡崎市が運営する「岡崎ビジネスサポートセンター(オカビズ)」の設立にかかわり、センター長を務めた。
講演では「事例から学ぶ、地域の会社がお金をかけずに売上UPする方法」と題し、さまざまな知恵を紹介。
「中小企業の相談を受ける際に大事にしていることは、その会社の話をじっくり聞くことだ。相談の中で、本人たちが気付いていない会社の良いところやセールスポイントを見つけ、それを商品やサービスに生かす」ことで売り上げアップを支援している。
具体例として、廃業を考えていた写真館では、遺影の前撮りなど高齢者向けの写真撮影をセールスポイントにして立て直しに成功。また、墓石製造会社では端材を活用して高級食器を作り、ホテルや高級レストランでの採用をきっかけに海外から注文がくるようになったという。
「設備投資などに頼らず、お金をかけず知恵を使って売り上げアップを実現できるように心がけている。一見関係ないもの同士が結びついて新しいものが生まれる。誰でも、ほんのちょっと足すだけでひらめきになる」と指摘し、日頃から観察力を磨く癖をつけることが大切とした。
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