全国各クラブの活動報告
岐阜産業人クラブ、「新春経済人講演会&懇親会」
岐阜産業人クラブ(遠藤宏治会長=貝印会長兼カイインダストリー会長)は3月1日、「新春経済人講演会&懇親会」を岐阜市内のホテルで開いた。講演会には後藤敏昭ヤマハ執行役員楽器・音響生産本部生産企画統括部長(現執行役員楽器・音響生産本部長)が「技術と感性を融合したヤマハのものづくり」と題して登壇した。懇親会は着座式で、今後の経営課題などについて会員同士が意見を交換した。全体で80人が参加した。
講演に先立ち、遠藤会長があいさつした。「資源や燃料の高騰、人手不足、部品不足、為替変動などで経営はより難しくなった。しかしピンチをチャンスに変える努力が必要」と現状を分析。「産業人クラブで情報交換や交流をしチャンスをつくろう」と訴えた。
ヤマハの後藤執行役員は講演で、職人の匠の技(クラフトマンシップ)によるヤマハの楽器づくりを披露した。人の五感に頼る自動化できないピアノや管楽器などの生産の様子を紹介した。
さらに、クラフトマンシップと技術の融合も具体的に事例を示し説明。長期間が必要だった木材の乾燥を短期で実現する量産化技術などを披露。歴史的アーティストの演奏タッチを人工知能(AI)で再現する試みなども紹介した。同社のデジタル変革(DX)への対応事例も示し「守るべきクラフトマンシップと常に進化する技術のバランスが大事」と強調した。
質疑応答では聴講者から「感性を生かしたものづくりを尊敬する。工場を見学したい」との発言があった。「クラフトマンのモチベーションをどう高めるか」との質問には「ユーチューバーの取材を受け若い人が盛り上がった」とし、今どきの職人気質も紹介した。
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