全国各クラブの活動報告

東京産業人クラブ、「2023年新春特別講演会」

 東京産業人クラブ(寺町彰博会長=THK社長)は1月18日に日本産業人クラブ連合会と共催し、経団連会館(東京都千代田区)で「2023年新春特別講演会」を開いた。会員ら約70人が参加。元キリンビール副社長で現在は100年プランニング代表取締役の田村潤氏が「企業の武器は理念以外にない」をテーマに講演した。
 新書『キリンビール高知支店の奇跡』の著者の田村氏は、キリンビールが同業他社の主力商品の波に飲み込まれつつあった1995年、キリンビール高知支店の支店長として赴任。厳しい闘いの末、2年後には同支店の業績は反転し、同県で他社のシェアを奪い、トップシェアを占めるまでになった。
 田村氏は当時の支店を「本社から言われたことをできる範囲内でするだけの雰囲気で、負けっぱなしだった」と当時を振り返った。メンバーが12人しかいない中で田村氏は「組織はやりきることが大事」だとして、月に1人100軒の居酒屋や酒屋問屋を回るなど部下に実践させた。
 企業理念『お客様本位』『品質本位』のもと、「キリンビールを高知の人に飲んでもらって喜んでもらう」ことを実現するため、働く目的と企業理念を合致させたという。また県民性をくすぐる地方発広告を展開した結果、首位奪還を実現した。
 田村氏は「売り上げや利益よりも大事なのが理念。日本一おいしいビールを作って日本人を幸せにすることに挑戦していた」としながら「企業理念を社員一人ひとりの価値観に落とし込めるか大事だ」と説いた。
 講演後の質疑では聴講者から「すごく共感するものがあってうれしく本当に来て良かった」との声があった。
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