全国各クラブの活動報告
名古屋産業人クラブ、毎年恒例の「学習会&交流会」
名古屋産業人クラブ(森誠会長=富士精工会長)は9月29日、名古屋市内外に拠点を置く各県の事務所職員を対象にした毎年恒例の「学習会&交流会」を開いた。「3密」を避けるため名鉄グランドホテル(名古屋市中村区)に会場を移した。名古屋市中区にある老舗料亭「蔦茂」の深田正雄会長が「尾張名古屋は今も昔も世界一‼」と題して講演した(写真)。会員など約70人が熱心に聴講した。
蔦茂は2023年に110周年を迎える。深田会長は名古屋市中心部の住吉地区で生まれ育ち、仲間を巻き込んで栄地区の街づくりをリードしている。21年にはその地域の歴史などをまとめた「住吉の語り部になりたい 祖父良矩とのダイアローグ」を出版した。
講演会では「蔦茂がある住吉地区は泉が湧き、豊かな川の源流となっていた。2万7000年前頃の旧石器時代は竪三蔵遺跡、縄文時代には白川公園遺跡や紫川遺跡が川の流れに沿って存在し『栄原人』が生活していた。400年前の清州越えの頃、町衆が住むために徳川家康に命じられた豊臣恩顧の大名の資金と労役を駆使して、清州の町衆を町名もそのまま中央部の碁盤割に移転した」と名古屋中心部の成り立ちを説明した。
「江戸時代は、士農工商の身分制度もゆるくて平等な文化があった。水も清らかで衛生的にも優れていた。武士が寺子屋の先生のアルバイトすることで、85%が読み書きできた。自治も安定していて、モノづくりの技術伝承もしっかりしていた。尾張徳川家として特別経済都市を形成し、多くの特例適用と産業育成で成長していった。これらが、今日の名古屋の発展につながった」と語った。
「1945年9月に進駐軍が名古屋港に上陸し、現在の中区栄2丁目全域に米軍居住地が建設された。その工事によって欧米の住宅建設や造園、空調・電気工事、給排水、清掃などの技術に直にふれることができた。子どもの頃だったのでチョコレートをもらい米国の文化を知り、憧れた」と当時を懐かしんだ。
最後に「清州越えを所轄した松井武兵衛や明治期の行政官で名古屋の近代化の礎を築いた吉田禄在、太平洋戦争の空襲で焼け野原になった名古屋の復興計画を実行した田淵寿郎の3氏を名古屋都市づくりの三英傑として名前を覚えていてほしい」と締めくくった。
講演会終了後の懇親会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から空間をとり着席形式で実施した。高知県名古屋事務所の山崎義道所長による乾杯の音頭で始まったリアルの会合で、参加者は食事をしながら熱心に情報交換など交流を図った。
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