全国各クラブの活動報告

東京産業人クラブ、津上氏講演 中国経済見通し「短期楽観・長期悲観」

東京産業人クラブ(寺町彰博会長=THK社長)は1月18日、九州・山口産業人クラブ(福田俊仁会長=昭和鉄工会長)、大分産業人クラブ(平岩照正会長=佐伯印刷社長)と共催で「2021年新春特別講演会」をオンラインで開いた。日本国際問題研究所客員研究員で中国経済分析の国内第一人者である津上俊哉氏(写真)が「2021年中国経済と米中関係」をテーマに講演した。各クラブの会員ら約60人がZoomのウェビナーで聴講した。
津上氏は講演で、中国共産党の重要な会議である党中央委員会第5回全体会議(5中全会)で決められた、2021年からの5カ年経済運営目標のポイントについて説明。米国との対立長期化の見通しから、中国は外需依存から、内需が主導する成長に転換するとした。成長のために科学技術に力を入れ、二酸化炭素(CO2)排出量を60年までに「実質ゼロ」にするとし、日本企業も脱炭素への対応などに備えなければいけないと注意喚起した。
中国経済の見通しについては「短期楽観・長期悲観」とし、5年間は大きく落ち込む可能性は低いであろうとした。当面、日本企業は巨大市場である中国から離れるわけにはいかないため、慎重に見極めながらも対応していかなければいけないと強調した。
また、米国は誰が大統領となっても中国との対立は収まらないため、大国同士のはざまで困る国はたくさんいるとし、日本は、中小諸国のまとめ役となるべきだとした。
津上俊哉(つがみ・としや).jpg


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