全国各クラブの活動報告

スポーツとコミュニティー 愛知県サッカー協会徳田氏講演

名古屋産業人クラブ(森誠会長=富士精工会長)は9月27日、日刊工業新聞社名古屋支社(名古屋市東区)で、名古屋市内外に拠点を置く各県の事務所を対象にした「学習会&懇親会」を開いた。愛知県サッカー協会の徳田康専務理事がスポーツとコミュニティーについて講演した。会員34人が熱心に聴講した。

英語のスポーツ(Sport)の語源は、「『Desporter』の意味の気晴らしをする、楽しむということからきていると言われる」とし、「日本では体育と本来のスポーツが持つ意味が混同されてきた。遊びの部分を否定し、競技志向で『道』を究める姿が求められ勝利至上主義になりがち。したがって、暴言や暴力に発展する可能性を秘めている」と説明した。

「いつの時代でも人間は何らかの共同性を持ちながら生きてきた。大切なのは過去を振り返り、時代が変わっても残り続けているもの、必要であり続けたものを見つけることでコミュニティーの再構築につながる。衰退する地縁型コミュニティー機能の代替として、スポーツを軸にしたテーマ型コミュニティーが重要になってくる」と説いた。

「これまでのスポーツ界では『楽しむこと』ことと『いい選手になる』こととは真逆だったが、これからは『楽しく一生懸命やる』と『いい選手になる』は同じベクトルにする」と語った。また「競技エリートにフォーカスされてきた環境を変えるべきだ。協会のビジョンはスポーツをテーマとしたコミュニティーを作り、楽しい、うれしい、心地よいといった環境づくりを目指す」と締めくくった。

講演会修了後の懇親会では講師も交えて盛り上がり、遅くまで歓談の花が咲いていた。


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