全国各クラブの活動報告

名古屋産業人クラブ設立60周年 吉野名城大院教授ら講演

名古屋産業人クラブ(森誠会長=富士精工社長)は4月26日、吉野彰名城大学大学院理工学研究科教授(写真)と山田圭一ANA総合研究所部長を招き、名鉄ニューグランドホテル(名古屋市中村区)で設立60周年記念講演会を開いた。
吉野教授はリチウムイオン電池を考案し、実用的なシステムとして成立させ、2018年の日本国際賞を受賞した。
「リチウムイオン電池のこれからと未来の車社会」と題した講演では、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)や、車を使った移動サービス「MaaS」を例に挙げ、「新しい造語が出てくる時は変革が起こる時だ」と指摘。「今後、何かしら新しいものが生まれてくるのではないか」とイノベーション創出に期待を寄せた。
また「25年以降のマイカーは、人工知能(AI)技術で創出された無人自動運転を有する電気自動車(EV)『AIEV』に置き換わっていく。自動車にかかるコストの大幅低減、過疎地域の新交通手段などの変革が起こり、巨大マーケットが生まれる可能性がある」と解説した。
続いて、ANA総研の山田氏は「航空機の整備ビジネスと、ANAの新たな挑戦」と題して講演した。「コネクテッド化は航空機の世界にも広がっている。自動操縦化に向けても研究が進んでいる。電気飛行機が近い将来、飛ぶ日が来るかもしれない」と予測した。
「世界の航空機需要は、あと20年で倍増する。そこでMRO(整備・補修・オーバーホール)が重要になってくる」と指摘。「平均年齢も若く、技術者も多い沖縄県と連携し、MRO事業を進めている」と事業化に意欲を見せた。


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