全国各クラブの活動報告

消費税増税でどうなる?日本経済-東京産学交流会、日本総研松村氏が講演

東京産業人クラブ・東京産学交流会(渡辺佳英会長=大崎電気工業会長)は11月12日、2013年度の理事会・総会を大森東急イン(東京都大田区)で開いた。総会の冒頭、渡辺佳英会長が「国内でモノづくりがなくなりつつある中、自動車やプリンターなどの特殊なモノづくりは海外に引けを取っていない。芝浦工業大学や東京都市大学と協力して技術力の向上に努めたい」とあいさつ。12年度の事業・収支報告や会計監査報告、13年度事業計画や収支予算案が了承された。
総会前の理事会では村上雅人副会長(芝浦工大学長)が「中小企業との産学連携を重視している。東京産学交流会を通じ企業との連携を深めたい」と、会員企業との連携を強調し、総会ではそれらの方向性を確認した。
総会後は日本総合研究所の松村秀樹調査部主任研究員が「消費税増税でどうなる?日本経済」をテーマに講演し、13年の日本経済を振り返りつつ、14年の景気を予測した。松村主任研究員は「世界の景気は回復傾向にある」と指摘した上で、「米国やスペインなどでは雇用が増えており、ギリシャは観光産業が良くなっている」と紹介した。また中国の経済成長については「8―9%の成長は難しくなっている。たづなを引き締め、7%台の緩やかな成長になっていくだろう」と予測した。さらに「爆発的な景気の拡大はないが、米国やアジアが世界を引っ張っていくだろう」と、14年の世界経済について言及した。
一方、国内では政策効果が景気を押し上げたとし、「設備投資が回復し、公共工事などの受注が高い水準で続くと考えられる」と予測。14年4月に実施される消費増税前の駆け込み需要については「設備投資や個人消費などが盛り上がり、13年度の後半も良い景気が続くだろう」とした。
このほか20年の東京オリンピック・パラリンピック開催の経済効果について「7年間で3兆―7兆円の押し上げ効果を見込む。だが五輪の影響で別の事業の予算が削られるといったマイナスの要因があるかも知れない。総合的に考える必要がある」と締めくくった。


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