全国各クラブの活動報告

群馬産業人クラブ、福島・いわき市で先端企業の見学会

群馬産業人クラブ(有田喜一会長=群栄化学工業社長)は3月18、19の両日、福島県いわき市で「先端企業技術見学会」を前橋市異業種交流グループと共催で開いた。超硬工具大手のタンガロイとリチウムイオン二次電池などの検査装置で国内トップシェアを握る東洋システムを訪問。6社・団体が参加し、特殊な技術と最新設備による競争力の源泉を学んだ。
初日は米著名投資家のウォーレン・バフェット氏がオランダのIMCグループを通じて間接出資するタンガロイの新工場棟を見学した。刃先交換チップ(インサート)の材料となる希少金属のタングステンやコバルトなどを焼き固める焼結工程から研削、表面処理など効率の高い一貫工程を視察した。親会社はイスラエルの切削工具会社のイスカルなどを傘下に置き、グループの力をラインの自動化など随所に活用している。
担当者は「親会社が先行する技術をタンガロイの力でさらに改良を加えて生産技術を確立したい」と狙いを説明した。
19日は二次電池の検査装置で機種によって5―8割の高シェアを持つ東洋システムを訪問した。ハイブリッド車などの登場で電池の機能強化が商品全体の評価に直結するため装置需要が急増。自動車や電池、材料メーカーなどが主な顧客だ。参加者は組立作業で忙しい生産現場や引き合いが増えている電池の受託製造事業などの説明を受けた。永島彰彦総務部長は「電池の改良で稼働時間を高めたい介護用ロボットなど新しい市場が生まれつつある」と市場動向を解説。13年中には本社隣に新本社を建設する。
期間中、視察団は津波被害を受けて市全体の犠牲者の3分の1以上を占めた薄磯地区を訪れた。関東精機のえび(魚へんに分)沢恭一社長は「震災から2年たった今でも復興は道半ば。爪痕の残る様子がまじまじと垣間見られた」と振り返った。


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