全国各クラブの活動報告
マレーシア産業視察団(上)投資開発庁など訪問-日本産業人クラブ連合会
日本産業人クラブ連合会(井水治博会長=日刊工業新聞社社長)と日刊工業新聞社は、10月28日―11月1日の日程でマレーシア産業視察団(川瀬泰人団長=日本リファイン社長)を派遣した。マレーシアはマハティール元首相が打ち出した日本の先進性に学ぶ「ルックイースト政策」が今年で30周年を迎え、あらためて日本の先端技術を導入しようとする機運が高まっている。日本企業専用の賃貸工場を新設する動きもあり、投資受け入れ態勢も整備されつつある。2回に分けて視察の様子を報告する。
約20人の視察団は10月28日午前、マレーシア航空で日本を離れ、17時頃に首都クアラルンプールの国際空港に降り立った。20時頃にクアラルンプール市内の鍋料理店「客家飯店」で結団式を開催。川瀬泰人団長は「国内のモノづくりが急激に冷え込み、企業はグローバル展開で新たなビジネスモデルをつくらねばならなくなった。今回は良いタイミング。情報収集を緊密に行い元気が出るようにしたい」と決意を述べた。初日の夕食会では、全国から集まった経営者が夜遅くまで親交を深めた。
翌29日、一行はいよいよ視察をスタート。9時にマレーシアの大手銀行であるCIMB本社を訪れ、日本法人担当の工藤宏之氏と日本企業向け賃貸工場の開発を計画するCIMBメープルツリーのラジャ・ノーマ・オトマン最高経営責任者らから現地の投資環境を聞いいた。工藤氏は「マレーシアは東南アジアの中でも最もインフラが充実しており、最も安心感がある」と強調した。
11時にはマレーシア投資開発庁(MIDA)に移動。同庁のパン・ア・トン副CEOから投資を歓迎する業種などの誘致施策について講義を受けた。パン副CEOは同国が30年前に打ち出した「ルックイースト政策」の第2弾が10月に発表された点に触れ、「わが国は日本の高い技術に学びたい。企業誘致のために新たな優遇制度も検討したい」と話した。
午後は1996年にマレーシアに進出した日本の表面熱処理企業「オリエンタルエンヂニアリング」の現地法人を視察。駐在経験9年半の佐藤初男工場長は「日本人の管理者がしっかりしてさえいれば、マレーシアでも良い品質の製品はつくれる」と語った。
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