全国各クラブの活動報告
「長野」「四国」産業人クラブが発足
産業人クラブの輪が広がっている。長野、四国の両産業人クラブが2010年12月に相次ぎ発足し、産業人クラブ組織は全国で23となった。日本産業人クラブ連合会(千野俊猛会長=日刊工業新聞社相談役)が推進する組織増強の一環で、長野産業人クラブは25社、四国産業人クラブは中国四国産業人クラブから分離独立し、新たに加わった会員を含む25社のそれぞれ経営者らで始動した。
【長野産業人クラブ/25社参加、県外からも】
長野県の北信・東信地域の経営者と後継者を中心に組織する長野産業人クラブが2010年12月7日に旗揚げした。県外企業を含む25社が参加した。会員の平均年齢は52・3歳、30―40代の若手経営者が半数を占める。今後は工場見学会、講演会の企画、相互交流などを行い、経営者としての資質向上を目指す。
長野市のメルパルク長野で開かれた設立総会では、会長に太田哲郎オリオン機械社長を選出した。太田会長はあいさつの中で「産業人クラブの活動を通じてビジネスチャンスを生み出せるように会員相互で努力していこう」と抱負を述べた。
総会後には橋本久義政策研究大学院大学教授が「モノづくり中小企業の底力」と題して記念講演。橋本教授はリーマン・ショック前も日本の産業空洞化が言われてきたが、部品加工など欧米からの注文が多くあったと指摘。「この構造自体は変わらない。頑張ってほしい」と集まった経営者らを激励した。
懇親会は行政、地元経済界、大学から多くの来賓を迎えた。太田会長が「元気で若い経営者が集まった。長野県経済のボトムアップになるような会にしたい」とあいさつ。阿部守一長野県知事と経済産業省関東経済産業局の佐々木正総務企画部長が来賓を代表して祝辞を述べた。長野県経営者協会の関安雄専務理事の乾杯の音頭で祝宴がスタート。来賓や会員が新組織の門出を祝った。
【四国産業人クラブ/新たに8社参加し始動】
四国4県の経営者らで組織する四国産業人クラブが2010年12月3日に旗揚げした。中国四国産業人クラブから独立する形で移行した既存会員に新規会員8社を加え、25社の経営者らで新たなスタートを切った。今後は会員企業同士の施設見学会や経営に関する勉強会、他地域の産業人クラブとの交流などを実施する計画。経営者としての資質向上や社業発展への寄与などを目指す。
高松市のリーガホテルゼスト高松で開いた設立総会では、会長に西山彰一宇治電化学工業(高知市)社長を選出した。西山会長は「事業は会員の自主運営を主体にして、国や大学、経済団体、研究・支援機関などとも相互交流を深めたい。会員企業のモノづくり・人づくりに対する志を高めたい」と抱負を語った。
総会後、千野俊猛日刊工業新聞社相談役が「モノづくりのパラダイムシフト」をテーマに記念講演。世界の経済情勢を背景にした日本のモノづくりの方向性に、会員らは真剣に耳を傾けていた。
懇親会では来賓を代表して、鈴木晴光四国経済産業局地域経済部長が「産業人クラブの活動を通じて、四国経済の発展につなげてほしい」と祝辞を述べた後、三木啓司産業技術総合研究所四国センター所長による乾杯の音頭で祝宴が始まった。和やかな雰囲気の中で会員らが交流を深め、新組織の船出を祝った。
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