全国各クラブの活動報告

自動車産業の最前線で講演

  名古屋産業人クラブ(内藤明人会長=リンナイ会長)、岐阜産業人クラブ(遠藤宏治会長=カイインダストリーズ社長)8日、名古屋市中村区の名鉄グランドホテルで講演会を開いた。吉田達生UBS証券自動車セクター担当アナリストが、「自動車業界の最前線では今何が起きているか」と題して講演し、会員ら58人が聴き入った。
 吉田氏は、日本の自動車業界が直面する事業環境として「金融危機の影響」「円高」「新興国市場のモータリゼーション」の3点を列挙。さらに、自動車の販売が世界のほとんどの地域で減少し、収益構造も激変していると指摘した。
 その後、世界の自動車市場について詳細に解説した。「主要各国の自動車販売は政府の需要刺激策で少し回復したが、補助金が切れた。その反動もあり緩慢な回復となる」「世界市場は来年、ピーク時に戻る。しかし、これまでのピーク時と中身は違う」「米国も緩慢な回復となる。廃車率を6%とすれば、毎年1300万台がスクラップされ、これが基礎需要となる」といった話に、参加者は真剣に耳を傾けていた。
 さらに、「電気自動車(EV)の普及で部品業界が苦境に陥るのではないか」との質問には、「普及率は1%未満。EVも課題を抱えている。ずっと先の心配より、現在の仕事に励んだ方がいい」と断言。会場内に安堵(あんど)の雰囲気が漂った。


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